２０１１年２月、金沢市の家業手伝い福田春奈さん＝当時（２７）＝が殺害された事件 で、最高裁第１小法廷（山浦善樹裁判長）は２７日までに、強盗殺人などの罪に問われた ＮＨＫ金沢放送局の元委託カメラマン若生（わこう）康貴被告（３７）の上告棄却決定に 対する異議申し立てを棄却した。決定は２１日付で、若生被告を無期懲役とした一、二審 判決が確定した。同被告は近く、収監される。

弁護側は異議申立書で「時間的にも状況的にも被告が犯行するには無理がある」と一、 二審判決に事実誤認があると主張。被害者の服に着いた毛髪のＤＮＡ鑑定を検察側が行わ ず「第三者のＤＮＡが発見される機会を失わせた」と指摘し、無罪を求めていたが退けら れた。

司法関係者によると、これまで上告棄却に対する異議申し立てが認められたケースはほ とんどない。最高裁は「異議申し立てに理由がない」と判断したとみられる。

若生被告は、県警に逮捕される前の任意聴取の段階から容疑を一貫して否認。上告棄却 の決定を受け、最高裁に「決定の破棄を求めます。わたしの人生を奪う理由は何でしょう か」との直筆の文書を提出していた。同被告は今後、再審請求を検討する可能性もある。

一、二審判決によると、若生被告は１１年２月６日夜から翌７日未明にかけ、福田さん から株式投資の資金として預かった８００万円の返済を免れるため、車内で福田さんの首 を刃物で刺して殺害し、遺体を内灘町の砂浜に埋めた。

引用：北國・富山新聞ホームページ - 石川のニュース